新着情報

ニュース&プレスリリース

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、お問い合せ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新の商品に関する情報は製品情報のページをご覧下さい。

2006-12-06 00:00:00
ファイバーテック、リアルタイム共焦点内視鏡の開発に成功

概 要

IRI グループ会社で医療機器ベンチャー企業のファイバーテック株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役三池神也、以下ファイバーテック)は、この度、財団法人浜松地域テクノポリス推進機構が進める「浜松地域知的クラスター創成事業」において浜松医科大学、横河電機株式会社と共同でリアルタイム共焦点内視鏡システムの開発に成功しました。
このシステムは同大学光量子医学研究センターの寺川進教授、櫻井孝司助手の元で共同開発された製品で横河電機社製共焦点スキャナCSUと当社の極細径内視鏡を技術融合して生体内の細胞活動を観察する画期的なイメージングシステムです。


背 景

生体内の脳や臓器の深部などに存在する細胞の活動は従来の内視・顕微鏡法では蛍光画像の可視化が困難で、どのような細胞活動が存在するのか未知の部分が多く、様々な研究手段が試みられてきました。しかし細胞の大きさはわずか20ミクロン程度で、顕微鏡レベルでの光学拡大がなければその実態を明らかにすることができません。
現行の顕微鏡では体の奥深くまで対物レンズの挿入は不可能で、内視鏡では拡大率が及びません。そこで共焦点顕微鏡と当社の極細径内視鏡技術を融合させ共焦点内視鏡の開発に着手しました。成功すればライフサイエンス分野での研究が飛躍的に進み、生体現象解析、創薬事業、臨床検査分野、がん治療などに応用できる製品として期待できます。

(例)
1. 脳機能や幹細胞の長期連続追跡と疾病メカニズムの解析
2. 薬剤の臓器効果の長期観察による創薬支援
3. 消化器官機能のリアルタイム検査による癌の早期発見
4. 癌の光治療(PDT)




開発結果

開発した内視鏡の空間分解能は蛍光ビーズ測定で2次元平面(X,Y)分解能は1ミクロン、光軸方向(Z)分解能が5ミクロン、走査速度は毎秒30フレームと十分な結果が得られました。空間分解能は導光路の改善で若干の性能向上の余地があり、時間分解能は光の利用効率を改善することで最速で毎秒250フレームまで向上できることがわかっています。方法論はマイクロレンズ付Nipkowディスク法を採用し、挿入部にマルチファイバー法を採用しました。素線直径3.75ミクロンの光ファイバーを1万本集束し、それぞれのファイバー素線における端面を共焦点側のピンホールと光学的共役関係となるように設計しました。内視鏡の外径は0.75mmとかなり細く、生体にできる限り負荷をかけない形状にしました。

細胞イメージング例

In vivo トランスフェクションで神経細胞にてPKCα-GFP(protein kinase C-green fluorescent protein)を強制発現し、内視鏡先端を脳表から約3mm挿入したところ、生きた動物脳内における単一の神経細胞画像を取得することができました(図1)。神経細胞における蛍光分布の変化を捉えることで神経機能を蛍光強度から測定することができます。
またTRITC(tetra-methyl-rhodamine-isothiocyanate)で染色した培養破骨細胞も明瞭に観察でき(図2)、関節内視鏡による新しい検査法としての有用性が期待できます。



今後の予定

アプリケーション開発、製品リリース、事業化などを共同研究者と進めていきながら当社の主力製品として2007年度にラインアップする予定です。


本件に関する問い合わせ先
ファイバーテック株式会社 MD営業部 前川
TEL 03-5259-7600 FAX 03-5259-1155

インデックスへ移動

このページのトップへ移動